和紙の生地ってどんな物?
和紙と言うと手漉き和紙を想像される人が多いと思いますが織り機で織るには長さが足りません。そこで手で漉くと同じように木の繊維を経(たて)方向に並べて漉く機械が開発され機械で漉く和紙が一般的になりました。巾や厚みによりますが長さが20,000mくらいあります。和紙の厚みのは坪量で表し坪量が12g・15gなどと言いい坪量とは1m四方の和紙の重さを言います。機械漉きの和紙を1mm~15mm程の巾でカットした和紙を糸として作った織物・生地の事を言いす。一般的な和紙織物は和紙に撚糸が掛けられています。撚糸が掛けられた和紙織物は風合いが少し硬い様に感じ弊社は無撚糸で和紙を織る技術を確立し柔らかく和紙の効能を100%生かす和紙織物を作る事が出来ました。日本人が歴史を重ねてこれたのは和紙のお陰なんです。障子紙や襖の和紙には紫外線のカット効果や抗菌作用があります。また風を防ぎ調湿効果もあります。抗菌効果については下段に掲載しています。
左から1mm・2mm・4mm・10mmでスリット
された和紙です。
平面の和紙をこの巾でカット(スリット)する
技術の方が凄いと思います。
和紙は楮や三椏・マニラ麻・針葉樹などの木が材料です。この材料が複雑に絡み合い紙になっています。(多孔性の紙)製造過程では繋ぎとしてトロロアオイを使います。(手漉きの場合)
弊社Nekiroの場合和紙をテープ状で製織している為和紙の持った性質を引き出すことが出来て居ると思っています。和紙の場合何度も洗う事で(揉み効果)で柔らかくなり繋ぎ剤がとれより多孔性の
物となるのではないでしょうか。それ故抗菌効果が高まるのではないかと思います。
本来ならば研究機関にて真相を確かめなければならないのですが信用の有る検査機関が検査した
結果なので受け止めております。
また和紙はマイナスイオンを持っていてプラスの菌などを吸い寄せる効果も有る様です。
お洗濯何回で抗菌作用が消えます。という製品は抗菌剤が塗布されたものです。
また金属系のイオンやナノイオン加工と言うのもあります。
この様な後加工で抗菌性を付けた物と弊社Nekiroの様に後加工無しでも強い抗菌性を有する素材もあります。
上記の試験報告書を見て頂くとわかるのですが10回洗濯すると抗菌性が強くなっています。薬品を浸けずにこの抗菌性は素材の持った不思議な力ですね!
現存する最古の和紙は、奈良県の正倉院に保存されている美濃の国の戸籍用紙です。
西暦702年で約1320年前の和紙です。和紙は1300年も持つのです!
和紙生地は1300年も持ちませんが意外と長持ちするのです。
弊社のストールやタオルを10年以上使っているお客様がいらっしゃいます。
和紙生地の説明に必ず出てくる「独特のシャリ感!」
弊社生地(Nekiro)にはシャリ感がありません。
和紙に撚糸を掛けることでシャリ感が出てしまいます。
弊社Nekiroを一度手に取ってみませんか?
弊社のNekiroは和紙織物らしくない
和紙織物なのです!それは緯糸(よこいと)に
使う和紙の形状によるところが風合いとして現れます。
和紙をスリットして撚糸を掛けるとシャリ感が出ます。
私たちはこのシャリ感が嫌で撚糸を掛けず写真の様な状態で織っています
無撚糸和紙の織物Nekiroは「和紙織物だ!」と言われた
事が有りません。それ程柔らかく風合いが良いのです。
アトピーや敏感肌の方に是非お試し頂きたいと思います。
撚糸を掛けないと他社では織る事が出来ないからです。
展示会や販売促進会などで多く質問されるのが「洗濯すると溶けませんか?」でした!
その時は「お札(さつ)をうっかりお洗濯したことはありませんか?」と聞きます。
「お札はティッシュペーパーの様にくずくずになりませんよね!」と言うと何となくご理解を頂けたのかと思っています。作られた製品に寄りますが天然系繊維の場合基本ドライクリーニングになります。ご自分で洗う場合は長い時間水に浸けず軽く洗い軽く絞って干して下さい。
タンブラー乾燥を乾くまですると縮む事が有ります。
あまり長く水に浸けるのも良くありません。天然系の繊維や和紙は水を沢山吸いますので
繊維が太って縮んでしまいます。
弊社スカーフ等で少しの縮が気にならない製品では普通洗濯で大丈夫です。
お洗濯の回数が増えると抗菌性も増え増々柔らかくなります。
紙は溶けるとお思いでしょうか?
ティッシュペーパーは溶けると思う人が大半ですよね!ところが溶けていないのです!
手漉き和紙を作るときに繋ぎとしてトロロアオイを使いますよね!ティッシュペーパーを
水に浸けると繋ぎが外れてバラバラになるんです。ティッシュペーパー取り忘れた洗濯もの
に紙の材料がいっぱい着いて大変になっています。溶けてなくなるのでしたらあんな風に
ならないはずです!繋ぎが外れた紙の材料が着いて居るのです。
私たちが和紙織物で創業した17年前で和紙をテープ状スリットして撚糸を掛けて和紙生地が出来て30年と言われていたので47年約半世紀の歴史が有る様です。
和紙に撚糸を掛けたことが最大の要因ではないでしょうか?
しかし織物にする段階で撚糸を掛けないと織れなかったのではないでしょうか?撚糸を掛けることが和紙生地の風合を悪くし一般化しなかったのではないかと思っています。また値段が高価でした。最近では一度撚糸を掛けた和紙を戻したり整理加工でストーンウォッシュ加工を施して柔らかくしているようです。
私たちは撚糸和紙の風合がどうしても嫌で無撚糸のまま織れないかと考えNekiroが生まれました。写真は左から1mm・2mm・4mm・10mmでスリットされたものです。
これをこの状態のまま織り込んでいます。
ストーンウオッシュとは洗いをするときに石やゴルフボールを
入れて洗う事です(生地をたたくと言う事です)
若い世代の人は紙を揉むことはほとんど無いと思いますが年齢層が上の人は
用途によって紙を揉んで柔らかくして使っていたと思います。
紙は揉むと柔らかくなるのです。お洗濯は揉むと同じ効果をもたらしてくれて
和紙織物は柔らかくなるのです。!
レーヨンを嫌うデザイナーは沢山います。レーヨンは化学繊維の分類中の再生繊維と言われています
原材料はパルプです。そう木なんです。一度溶かしてからセルロース繊維を取り出して糸にしたものなんです。だから自然界に放置しておくと成分分解して土に戻るんです。現時代にぴったりです!
シルクに似せて作られ人によって作られた絹と言う事で「人絹」と呼ばれた事も有りました。
しかしシルクと同じで扱いが難しいのです。吸水性が高いため水の中に放置しておくとレーヨンが
水を沢山吸って太ってしまうのです。この後乾燥しても太ったままで乾いてしまい縮むと言う事に
なるのです。レーヨンにも長繊維と短繊維が有ります。長繊維の生地は洋服の裏地やカバンの中地
などに使われサラッとしてとても肌触りの良い生地です。弊社が使っているのはレーヨンの短繊維
(スフ=ステープルファイバー)です。短繊維でもレーヨンの性質は変わらずとても良く水分を
吸収します。弊社Nekiroは和紙との交織なので和紙が縮を制御しています。和紙も吸水性が良いのでとても良い生地が出来上がりました。
紙の歴史から始めると長くなりますので現在の和紙と紙(洋紙)の違いを書いてみます!
紙の材料は木(パルプ)ですよね!これは同じなんです。和紙の場合はパルプ以外に
マニラ麻も材料としています。同じ材料ですが作り方によって洋紙と和紙に分かれるんです
手漉きの和紙は楮(コウゾ)・三椏(ミツマタ)をたたいて繊維に分解して紙をつくって
います。そのため材料の繊維が長いのです。洋紙の場合は材料をくずくずにして紙にします。
古紙の再生紙とかは集めた古紙を溶かして使うので材料がくずくずです。
簡単に言うと材料の加工が違うと言う事です。マニラ麻は日本の竹と同じで成長の早い
植物です。伐採後早いと半年または1年位で成木になります。自然破壊にはつながりません
以前よりお付き合いのあるアパレル様より弊社のNekiroにストレッチが欲しいとの要望が
有りPU(ポリウレタン)を入れた生地の開発を始めました。以前にも試験織をしたことが
有ったのですが和紙が邪魔をして肌触りの悪い生地しかできませんでした。
今回はこの肌触りの改善が目的の開発となりました。
生地が出来上がり自社試験加工をすると140㎝ある生地が70㎝巾になってしまいました。
ここまで縮んでもとても肌触りが良い生地となりました。
現在は整理加工の工場に巾を1m10㎝に調整してもらうためにお願いをしています。
30㎝四方のNekiroです
8時15分にスタート
半分だけ墨を塗りました
塗った瞬間から水分が移動しています。
約10分後ここまで来ました。
15分後です。
1時間10分後です。
色の斑も無くなりました
気温14度湿度60%です。
経糸(たて糸)緯糸(よこ糸)すべてが和紙素材の織物です。私たちが和紙織物を作り営業に行くと「和紙100%の方がインパクトが有って面白いよね!20%だと和紙織物とは言えないよね!」と良く言われました。
だけど和紙糸は隣の糸になじまないのです。縫い合わせたところの糸が動いてしまい外れてしまいます。そう滑落しやすいのです。そこで私たちは和紙を20%~50%程にして他の糸と組み合わせる事を選択しました。
それでもアパレルさんには滑落しやすいので防止策をしてくださいね!とお話をさせて頂いています。他社も最近は弊社と同じような混率が多くなっているように感じます。
ところで混率とは何でしょう。1枚の生地に含まれる素材の割合なんですが「重さの比率なのです」和紙は軽いため率で行くとどうしても少ない数値になってしまいます。残念!
お客様から「この生地に包まれて居たい」「こんな風合いの生地触ったことが無い」などたくさんのお声を頂きます
和紙本来はとても柔らかいのです!本来の姿を引き出す織り方で織られたNekiro
風合だけでなく吸水性・保温性も優れています。
開発当初染色整理加工場へ加工試験に投入しました。もちろん無撚糸和紙生地は初めてですがやってみますと引き受けていただきました。2週間後加工が終わったと連絡を頂きお伺いしたところ穴だらけの生地と対面する事となりました。担当者の方から「お宅の生地は水離れが悪く工程の途中で穴が開いてしまいました」との事
話し合いの結果通常加工の生地(ポリエステル・綿生地)と比べるとNekiroは大量の水を含む事が分かり加工工程を変えてから以後は加工トラブルが無くなりました。
この様に無撚糸で織り上げたNekiroは抜群の吸水力を発揮します。
弊社のオンラインショップではストールやスカーフを販売しておりますが生地販売では
紳士服オーダーメイド会社の春夏・秋冬用ジャケットとして販売されました。(3,000着)
また有名アパレルブランドにも採用頂きました。現在は有名旅館の部屋着としてまた
お土産として販売されています。(浴衣代わりに使用され1晩着ていたことで家でも使いたいと言って、お買い求めて帰るそうです!)
最近お取り寄せ頂いた方はワイシャツの襟元に入れてお使いの様で10年近く愛用して頂いているとの事でしたサラリーマンの方も良いようです。私も工場稼働の時は頭から汗を
かくタイプでまつ毛に汗がたまる程かきます。目が痛くてたまりません。またズボンのベルトの所がかゆくなります。こんな時弊社のNekiroを使います吸水性が半端なく目の所へ
落ちてきません!かゆみもけいげんされてとても便利です(手前みそですが!)
私はヘルメットは被りませんが頭に巻いて使います!
和紙と言われると何となく手すきの和紙を想像されるのではないかと思いますが和紙にも種類が沢山あります。
先ずは「手すき和紙です」昔からの伝統に基づいて、材料も楮(コウゾ)・三椏(ミツマタ)・雁皮(ガンピ)などで作られています。次に「機械引き和紙です」
材料は木材パルプ・マニラ麻・が主です。さらにマニラ麻とパルプを混ぜた物その混率も様々です。そのほか機械引き和紙はメーカーにより厚みが変わります。こんなにも種類があります。和紙糸もデニールやテックス・番手で表す事もできますが坪量何グラム・スリット巾何ミリと言われることが多いように思いますこれにマニラ麻・針葉樹・古紙など原材料も言います。例マニラ麻坪量15gの和紙と言う具合です
桔梗・蓮・水仙・オオムラサキつつじから抽出した染料で染めたNekiroです。
草木染とは違い媒染作業はありません。ハイブリット染色です。Nekiroが出来た当初この生地だと草木染が良いよね!と言われ色々と調べたのですが草木染の場合色の発色を促すために媒染と言う工程を行います。この工程で金属イオンと触れ合わせて色を出すのです鉄イオンの様に人間の体に存在しているものもありますがそうでないイオンを使わないと出ない色もあり草木染は無理かな?と思いお願いすることはありませんでした。そんな時自然染をしている整理屋さんと出会いNekiroの自然染が誕生しました。
「不思議な生地やな~!」とよく言われます。普通の生地加工では風合いを作るために温度が重要なのだそうです。
和紙生地の場合(撚糸和紙)温度を風合いを作る温度まで上げると、生地がバラバラになるそうです。ところが弊社Nekiroは温度をかなり上げてもバラバラにならなかったそうです。加工屋さんも恐る恐る温度を上げていったそうで「びっくりした~!」と言っていました。
和紙の材料(繊維)の並び方に違いがあります。和紙を拡大すると細い繊維がたてに並んでいます。
このため和紙の製法で作られた紙は、たて方向への引っ張り強度が強いのです。たて方向に裂くと千切れる事無く裂けて行きます。これに比べて再生和紙(古紙)は繊維長も短くたて方向の引っ張り強度が弱いのです。そのため坪量が30g以上ないと撚糸を掛けることが出来ないようです。弊社が試験織したのは坪量が15g・20gでしたが、生地としてみるとかなり柔らかい(バージン和紙も柔らかいのですが!)風合になっていました。販路が確立すればかなり面白い生地が出来上がるのではないでしょうか!
スピードの出し過ぎはいかんゾ~!
糖分の取りすぎはいかんゾ~!
など気を付ける言葉を書いて貼りましょう!